のれんに家紋を入れる理由
家紋は、家や血統が一目でわかり、ひとつひとつに
意味が込められている美しいデザインです。
世界的にも注目されており、おしゃれのひとつとして大変流行しています。
家紋付きののれんというと、老舗のお店を思い浮かべる人が
多いと思いますが、最近はおしゃれなタペストリーのような感覚で使ったり、
デザイン性の高さからインテリアとして使う人も増えてきています。
最近大変流行しているのが、家紋付きのれんの本場ともいえる
京都でオーダーすることです。
京都ののれんは質がよく、デザインや色、素材などが豊富なので
好みや用途、サイズに合わせてオーダーすることができると人気があります。
活用法が幅広く、タペストリーのように壁につるしてデザインを
楽しみながら雰囲気作りをしたり、大きなウィンドウから差し込む
日光を遮る日よけ、目隠しや間仕切りなどに使うことができます。
素材や色を選ぶことが雰囲気が変わり、同じ色でも素材や織り方によって
イメージが異なることも特徴です。
お手入れが楽でしわになりにくいポリエステルのちりめんや
伝統的な綿や麻などが人気で、店舗やお部屋のイメージに合わせて選んだり、
季節や時間に合わせて架け替えて使っているお店もあります。
特に、季節に応じた色や素材、織り方を選ぶことで、季節感を
演出することができるので、シーズン商品のお知らせをしたい飲食店やスイーツ店、
季節の衣服や小物などを扱うお店で人気があるおしゃれな使い方です。
家紋の起源は?平安時代から続いた家紋の歴史と発展
わが国固有の文化ともいえる家紋のはじまりは平安時代の頃といわれています。
すでに奈良時代から貴族が用いる調度品などには装飾目的のさまざまな文様があしらわれていましたが、
平安時代になると特定の文様を牛車などに施して他家と区別する貴族が出現しました。
考えてみれば藤原氏全盛の時代に、直系・傍系を含め膨大な家系が生まれたことから、少しでも目立って
他家を出し抜こうとするのは当然のことです。
もっとも当初は木瓜などの、すでに文様としてポピュラーだったものを拝借したに過ぎないものでしたが、
次第に複雑化して家系を表現するオリジナルなデザインが生まれます。
特に武家に関しては、当初は源氏の白旗、平氏の赤旗といった程度の区別で、家紋が採用されるのは
公家よりも遅れて平安末期から鎌倉時代のころになりますが、合戦が激化するとこうした単純な区別では
自らの武勲を公然とアピールするには不足するため、軍配団扇などの新しいデザインが続々と誕生するようになります。
こうした中世の武家社会で家紋はほぼ定着し、大紋のように衣服に縫い付けて活用されることもありました。
そして江戸時代には武家のみならず、広く町民や百姓などの庶民層にも受け入れられる文化となり、
現在へと続いています。